
公認会計士って数字を扱う仕事だよね。高校数学が苦手だと厳しいのかな?
こんな疑問を解消します。
結論、数学が苦手でも公認会計士になれます。
私自身、高校1年生の数学は赤点ギリギリ。高校2年生から文系クラスへ進み、それ以降は数学をほとんど勉強していません。
大学受験でも大学入学後も数学には触れておらず、今でも数Ⅰ・Aすら怪しいレベルです。それでも、公認会計士試験の勉強で数学ができずに困ったことは一度もありませんでした。
本記事では、
- 公認会計士試験で必要な数学レベル
- 数学力より重要な能力
- 数学が苦手な人の選択科目
- 受験を始めてよいか確かめる方法
を紹介します。
本記事を読めば、学校の数学の成績ではなく、公認会計士の勉強を続けられるかで受験を判断できるようになります。
数学が苦手で公認会計士の受験を迷っている方は必見の内容です。
筆者は、数学が苦手な状態から公認会計士試験に合格した現役の公認会計士です。実際の受験経験と監査法人での実務経験をもとに解説します。
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結論:数学が苦手でも公認会計士になれる

公認会計士試験には計算問題があります。しかし、高校数学の知識を競う試験ではありません。
多くの受験生と同じように、必須科目に加えて論文式の選択科目で経営学を選ぶなら、必要なのは基本的な四則演算と一部の連立方程式です。試験では電卓を使えるため、高度な暗算力も必要ありません。
私の数学歴は、次のようなものでした。
- 高校1年生から赤点ギリギリ
- 高校2年生で文系クラスを選択
- 大学受験では数学を使わない
- 大学入学後も数学には一切触れない
- 数Ⅰ・Aの内容すら怪しい
それでも、受験勉強中に「数学が分からないから解けない」と困ったことは一度もありません。

数字を扱う資格ですが、数学の得意・不得意はほとんど関係ありません
数学が苦手という理由だけで、公認会計士を諦める必要はありません。
公認会計士試験で必要な数学レベル

必須科目と経営学を選ぶ一般的な受験ルートで必要になるのは、主に四則演算と連立方程式です。
必要な計算
- 足し算・引き算
- 掛け算・割り算
- 割合や比率の計算
- 簡単な連立方程式
少なくとも、経済学や統計学を選択しない一般的な受験ルートなら、微分積分、三角関数、ベクトルといった高校数学を最初から覚え直す必要はありません。
財務会計論・管理会計論には計算問題がある
短答式試験では、財務会計論と管理会計論に計算問題が出題されます。公認会計士・監査審査会も、両科目を「計算問題がある科目」と明記しています。
参考:公認会計士・監査審査会「短答式試験の試験問題の出題順序について」
ただし、問われるのは難しい数学ではありません。会計基準や原価計算のルールを理解し、与えられた数字を正しい手順で処理できるかが重要です。
財務会計論では会計処理を数字へ置き換える
財務会計論では、商品を仕入れた、売上が発生した、固定資産を購入したといった取引を、会計のルールに沿って数字へ置き換えます。
たとえば、取得価額から減価償却費を計算する、売掛金のうち回収できない見込額を計算する、複数の会社の財務諸表を連結するといった問題です。
数字はたくさん出てきますが、問題ごとに好きな計算方法を考えるわけではありません。どの条件なら、どの会計処理を使うかを覚え、決められた順序で計算します。
管理会計論では原価計算の手順を使う
管理会計論では、製品を作るためにいくらかかったか、何個売れば利益が出るか、限られた材料や時間をどう使うかなどを計算します。
財務会計論より「計算科目らしい」と感じる人は多いでしょう。連立方程式を使う論点もあります。
それでも、求められるのは高校数学のひらめきではありません。原価計算の公式や条件の読み方を覚え、同じ形式の問題を繰り返して処理を定着させることです。
暗算ではなく電卓で計算する
試験では電卓を使います。そのため、暗算が遅いことや九九が瞬時に出てこないことを心配する必要はありません。
必要なのは、問題を見て使うべき処理を判断し、電卓へ正確に入力する力です。
もちろん、本試験には制限時間があります。勉強を始めた直後から速さを求める必要はありませんが、処理を理解した後は、電卓操作と問題演習を繰り返して速度を上げます。
実務ではExcelや会計システムを使う
合格後の実務でも、複雑な計算を頭の中で処理するわけではありません。Excelや会計システムを使って計算し、その結果が正しいかを確認します。
公認会計士に求められるのは、高い数学力よりも、会計処理を理解して数字の意味を読み取る力です。
数学力より計算ルールの反復が重要

公認会計士試験の計算で重要なのは、数学のセンスではなく処理方法を覚えて反復することです。
会計には、取引や状況ごとに使うべき処理のルールがあります。
- この取引では、どの勘定科目を使うか
- 資産や負債をいくらで評価するか
- 売上や費用をいつ認識するか
- 製品原価をどのように集計するか
こうした会計基準や処理パターンを覚え、問題演習を繰り返して使えるようにします。

数学というより、ルールを覚えて同じ処理を繰り返す勉強です
数学が得意でも、会計処理を覚えずに問題演習をしなければ点数は伸びません。反対に、数学が苦手でも、正しいカリキュラムで反復すれば対応できます。
公認会計士試験が難しいのは、数学のレベルが高いからではなく、覚える範囲とこなすべき問題量が多いからです。
計算が苦手な人がつまずくのは数学以外の部分
計算問題で点数が取れないと、「自分は数学が苦手だから」と考えがちです。しかし、実際には次のような原因の方が多いです。
- 問題文の条件を読み落としている
- 似ている会計処理を混同している
- 円・千円・百万円などの単位を間違えている
- 電卓へ数字を入力する際にミスしている
- 途中計算を省略し、後から確認できなくなっている
これらは数学力ではなく、知識の整理と問題演習で改善できます。間違えたときは「計算が苦手」で終わらせず、知識不足、条件の読み落とし、電卓ミスのどれだったかを分けてください。
正確性を作ってから処理速度を上げる
最初から速く解こうとすると、会計処理を理解しないまま手順だけを丸暗記しやすくなります。
まずは時間を気にせず、なぜその式になるのかを説明できる状態にしてください。その後、同じ論点を繰り返し、途中計算の書き方や電卓の入力方法を固定します。
正しい処理を再現できるようになってから時間を測れば、数学が苦手な人でも自然に速度は上がります。
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>>公認会計士試験の内容は難しい?本当の難しさを解説
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>>公認会計士試験に必要な勉強時間を現役会計士が解説
数学が苦手なら選択科目は経営学を選ぶ

論文式試験では、次の4科目から1科目を選びます。
- 経営学
- 経済学
- 民法
- 統計学
数学が苦手なら、基本的には経営学を選べば問題ありません。
公認会計士・監査審査会が2025年3月に公表したバランス調整の参考資料では、選択科目の受験者の9割以上が経営学を選択していると説明されています。
同資料には対象年度ごとの母数や実数までは掲載されていません。そのため、これは2025年3月の公表資料で示された状況であり、毎年の選択割合を保証する数字ではありません。
参考:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験のバランス調整(参考資料)」
経営学にも財務管理の計算はありますが、高校数学を本格的に使うものではありません。公式と解き方を覚え、電卓で処理できれば対応できます。
経済学や統計学は、数学が得意な人や、その分野を専門的に学んできた人が選ぶことの多い科目です。民法も、法律を得意とする人などに選ばれます。

特別な理由がなければ、他の多くの受験生と同じく経営学を選ぶのが無難です
選択科目があるからといって、数学を理由に受験を諦める必要はありません。
受験前に簿記3級で確かめればよい

それでも不安なら、予備校へ申し込む前に簿記3級を勉強してみてください。
簿記3級や2級で使う数学のレベルは、公認会計士試験でも大きく変わりません。
- 仕訳のルールを理解できるか
- 電卓を使った計算に強い拒否感がないか
- 同じ問題を繰り返し解けるか
- 間違えた処理を覚え直せるか
実際に問題を解いて「これなら大丈夫そう」と感じるなら、そのまま公認会計士の勉強へ進んで問題ありません。
反対に、簿記3級で計算ミスをしたからといって、すぐに向いていないと判断する必要もありません。最初は誰でも処理方法を知らないため、間違えるのが普通です。
最初の正答率ではなく改善できるかを見る
簿記3級を初めて解いたときの点数だけで、公認会計士に向いているかは判断できません。
簿記は学校で習わない人が多いため、最初は借方と貸方の意味すら分からなくて当然です。見るべきなのは、解説を読んで同じ問題を解き直したときに、少しずつ正解できるようになるかです。
一度間違えても、理由を確認し、翌日や数日後にもう一度解けるなら問題ありません。公認会計士試験でも、その反復を大量の論点で続けていきます。
簿記3級で確認すべきなのは継続への抵抗感
確認したいのは「計算が一発で合うか」ではなく、会計のルールを覚え、間違えた問題をやり直すことへ強い苦痛を感じないかです。
公認会計士試験は出題範囲が広く、同じ論点を何度も復習します。簿記3級でその勉強の型を試せば、数学の成績よりも現実的な相性を確認できます。
判断するポイント
一度で正解できるかではなく、解説を読み、反復すれば解けるようになるかを確認してください。
学校の数学の成績を思い出して悩むより、簿記を実際に始めた方が正確に判断できます。
公認会計士を目指すなら今すぐやるべき2つのこと

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どちらも無料です。まず以下の2つをやって、試験の本質と簿記学習の相性を確かめてください。
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この本を勧める理由は、クレアールを選ぶためではありません。公認会計士試験の本質と、膨大な試験範囲をどう攻略するかを理解するためです。
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まとめ:数学ではなく簿記を試して判断する

数学が苦手でも、公認会計士になれます。
- 必須科目と経営学を選ぶなら、必要なのは四則演算と簡単な連立方程式
- 試験では電卓を使えるため高度な暗算力は不要
- 数学力より会計処理の暗記と反復が重要
- 2025年3月の審査会公表資料では、選択科目受験者の9割以上が経営学を選択
- 不安なら予備校へ申し込む前に簿記3級を試す
私自身、高校数学は赤点ギリギリで、数Ⅰ・Aすら怪しい状態から公認会計士試験に合格しました。
過去の数学の成績だけを見て、公認会計士を諦めるのはもったいないです。
まずは簿記3級を始め、会計のルールを覚えて問題を反復できるかを確かめてください。
合わせて読みたい
>>高卒でも公認会計士を目指せる理由
よくある質問(FAQ)

公認会計士試験と数学について、受験前によくある疑問へ回答します。
Q. 数Ⅰ・Aが分からなくても公認会計士になれますか?
なれます。必須科目と経営学を選ぶ一般的な受験ルートで使うのは、主に四則演算、割合、簡単な連立方程式です。経済学や統計学を選ばないなら、高校数学を最初から勉強し直す必要はありません。
Q. 文系でも公認会計士試験に合格できますか?
問題ありません。会計、監査、企業法など、受験開始後に初めて学ぶ内容が中心です。理系科目の得意・不得意より、必要な勉強時間を確保して反復できるかが重要です。
Q. 計算が遅くても大丈夫ですか?
最初は遅くても大丈夫です。試験では電卓を使い、問題演習を繰り返すうちに処理速度が上がります。ただし、本番には制限時間があるため、学習が進んだ後は正確性と速度の両方を練習してください。
Q. 経営学では数学を使いませんか?
財務管理分野に計算はありますが、本格的な高校数学を使うものではありません。公式と解き方を覚え、電卓で処理すれば対応できます。
Q. 受験前に簿記2級まで取るべきですか?
数学への不安を確かめるだけなら、まず簿記3級で十分です。簿記のルールを覚えて計算する学習に抵抗がなければ、公認会計士講座へ進めます。
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