
30代から公認会計士を目指すのは遅い?
未経験でも合格後に就職できる?
こんな疑問を解消します。
結論、30代から公認会計士を目指しても遅くありません。
実際に30代で合格し、監査法人などへ就職している人はいます。
ただし、
- 試験に年齢制限がない
- 30代でも合格者がいる
- 誰でも仕事を続けながら無理なく合格できる
この3つは全く別の話です。
公認会計士試験は、内容が理解不能なほど難しいというより、とにかく範囲が広くて勉強量が多い試験です。
平日に定時退社できて、その後の時間をほぼ全て勉強へ使う。土日もフルで勉強する。働きながら受かるには、それくらいの環境が必要になります。
そこで本記事では、
- 30代から公認会計士を目指しても遅くない理由
- 30代合格者の人数と年齢別の公式データ
- 業界未経験・社会人経験者の採用事情
- 働きながら・退職専念・会計業界へ転職する3ルート
- 不合格時のキャリアリスクと失敗を避ける準備
を紹介します。
本記事を読めば、自分が30代から公認会計士へ挑戦すべきか、現実的に判断できるようになります。
仕事を続けるか、退職して受験へ専念するか迷っている人は必見の内容です。
筆者は現役の公認会計士です。本記事の内容は自身の体験や周りの公認会計士に取材した内容を基に執筆しています。
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結論:30代からでも公認会計士は目指せる
30代からでも公認会計士試験には合格できます。
ただし、年齢を気にする前に勉強時間を確保できるかを確認してください。

私の周りにも、30代で公認会計士試験に合格した人はいます。
- 普通の事業会社で働きながら合格した人
- 一度会社を辞めて、受験勉強に専念した人
どちらのパターンも実在します。
なので、「30代だから受からない」ことはありません。

落ちる原因は年齢よりも、
ほぼ勉強時間です
ポイント①:試験は理解力より勉強量が効く
公認会計士試験は難関資格ですが、勉強内容が全く理解できないほど難しいわけではありません。
本当に大変なのは、会計学・監査論・企業法・租税法など、広い試験範囲を合格水準まで仕上げることです。
30代だから記憶力が足りないというより、仕事や家庭があるため、学生より勉強時間を確保しにくい。
ここが最大の差になります。
合わせて読みたい
>>公認会計士試験の勉強時間3,500hは本当?現役公認会計士が解説
ポイント②:30代を一括りにしない
同じ30代でも、30歳と39歳では、合格後のキャリア設計が違います。
| 年齢 | 現実的な考え方 |
|---|---|
| 30〜34歳 | 社会人経験を強みにしながら、監査法人への就職を目指しやすい |
| 35〜39歳 | 前職の経験、希望勤務地、年収低下への許容度まで具体的に確認する |
| 40歳以上 | 監査法人だけに絞らず、中小法人・会計事務所・事業会社なども含めて設計する |
これは「35歳を超えたら無理」という話ではありません。
年齢が上がるほど、合格後にどこで何をするかを先に決める必要があるということです。
30代の合格者は実際にいる【公式データ】
最新の公式データでも、30代の合格者ははっきり確認できます。


本当に30代の合格者っているの?
若い人ばかりじゃない?
公認会計士・監査審査会の令和7年公認会計士試験合格者調によると、最終合格者1,636人の年齢構成は次のとおりです。
| 年齢区分 | 合格者数 | 全合格者に占める割合 |
|---|---|---|
| 25歳以上30歳未満 | 431人 | 26.3% |
| 30歳以上35歳未満 | 119人 | 7.3% |
| 35歳以上40歳未満 | 38人 | 2.3% |
| 40歳以上45歳未満 | 15人 | 0.9% |
30代の合格者は合計157人。全合格者の9.6%です。
また、令和7年試験の最高合格年齢は54歳でした。
30代合格者は珍しすぎる例外ではなく、公式統計上も毎年存在する層だと分かります。
注意①:会社員合格者は多くない
同じ令和7年試験では、出願時の職業が「会社員」だった最終合格者は89人でした。
ただし、この数字は出願時の自己申告です。
受験期間中ずっとフルタイムで働いていたかまでは分からないため、89人全員を「働きながら合格した人」と断定はできません。
それでも、学生や無職と比べて会社員合格者が少ないことから、仕事との両立が簡単ではないことは読み取れます。
注意②:30歳から再挑戦した事例もある
日本公認会計士協会にも、30歳ごろに働きながら受験へ再挑戦し、合格後に中小監査法人で経験を積んだ公認会計士のキャリア事例が掲載されています。
統計だけでなく、30代から合格して実務へ進んだ具体例も確認できるわけです。
30代未経験でも監査法人に就職できる
会計業界が未経験でも、試験合格後に監査法人へ就職できます。
むしろ異業種での社会人経験が評価されるケースもあります。


会計業界が未経験でも、
監査法人に採用されるの?
公認会計士試験の合格者は、大学生も異業種の会社員も、監査実務については基本的に未経験です。
採用で分かれやすいのは、会計業界の経験よりも社会人として働いた経験があるかです。
採用①:社会人経験がある人
私が監査法人で見てきた範囲では、不動産の営業など会計と全く関係のない仕事でも、社会人経験は採用上の強みになっていました。
- 上司や顧客とのコミュニケーション
- 期限を守って仕事を進める力
- チームで働く基本姿勢
- 前職の業界知識
これらは監査の現場でも使えるため、30代の職歴は単なる遠回りではありません。
採用②:社会人経験がない人
社会人経験がなくても、人柄やコミュニケーションに問題がなく、採用需要がある時期なら就職できている人はいます。
ただし、年齢が上がるほど「なぜこれまで働いてこなかったのか」「今後どのように働きたいのか」の説明は必要です。
私自身、30代前半〜35歳くらいで、普通に社会人として働いた後に合格した人は見たことがあります。
一方、39歳前後で一度も働いた経験がない人は、少なくとも私の周りでは見たことがありません。

30代の前職経験は、
隠すものではなく武器です
合わせて読みたい
>>監査法人の年収・職場環境をBig4会計士が解説
採用③:前職より年収が下がる場合もある
30代で転職する場合は、「採用されるか」だけでなく今の年収からどれくらい変わるかも確認してください。
すでに事業会社で役職があり、高い年収を得ている人は、監査法人へ入った直後に年収が下がる可能性があります。
公認会計士になれば必ず初年度から前職以上になる、と考えるのは危険です。
一方で、監査経験を積んだ後は、事業会社の経理・財務、FAS、コンサルティング、独立などへキャリアを広げられます。
初年度の給料だけでなく、5年後にどんな仕事をしたいかまで含めて判断しましょう。
採用④:地方在住は勤務地も確認する
地方在住の場合は、合格後に希望する仕事が自宅から通える範囲にあるかも重要です。
公認会計士・監査審査会の2025年モニタリングレポートによると、公認会計士の約7割は東京・神奈川・埼玉・千葉の地域会に所属しています。
地方にも監査法人や会計事務所はありますが、地域によって選択肢は変わります。
家族を伴う転居が難しい人は、受験開始前に求人と勤務地を調べてください。
働きながらの合格は正直かなり厳しい
30代の受験ルートは3つありますが、普通の事業会社で働きながらの合格は正直かなり厳しいです。


働きながらは厳しいなら、
会社を辞めた方がいい?
| ルート | メリット | 主なリスク |
|---|---|---|
| 現職を続ける | 収入と職歴を維持できる | 勉強時間が不足しやすい |
| 退職して専念 | 勉強時間を最大化できる | 貯金減少・不合格時の空白期間 |
| 会計業界へ転職 | 会計経験と収入を得られる | 仕事が忙しいと勉強が進まない |
ルート①:現職を続けながら勉強
最も安全ですが、合格難易度はかなり上がります。
働きながら合格するなら、少なくとも、
- 平日は基本的に定時退社できる
- 退社後の時間をほぼ全て勉強に使える
- 土日はフルで勉強できる
- 繁忙期や転勤に振り回されにくい
- 家族の理解と協力がある
といった条件が必要です。
「仕事が終わった日に2時間できれば十分」という感覚では、合格までかなり長期化します。
合わせて読みたい
>>私が働きながら公認会計士に合格できた理由
ルート②:会社を辞めて受験へ専念
私の周りでは、貯金を切り崩しながら受験へ専念した人の方が多い印象です。
勉強時間を確保できるため、合格可能性を上げやすいのは間違いありません。
ただし、これはハイリスクな選択です。
受験していた期間は、不合格になったときに職歴として評価されるわけではありません。
再就職するときに、以前と同じ業界・年収へ戻れる保証はありません。
簿記や会計の勉強を活かして経理職へ進む選択肢はありますが、それも必ず実現するとは限りません。
ルート③:会計業界へ先に転職
会計事務所、税理士法人、経理職などへ転職してから受験する方法です。
実務と勉強がつながるメリットはありますが、仕事が忙しければ結局は勉強時間を確保できません。
なお、一般の検索者がいう「働きながら」は、監査トレーニーではなく、普通の事業会社で働きながら受験する状況を指すことが多いでしょう。
監査トレーニーは有力な選択肢ですが、募集状況や勤務条件を個別に確認してください。
働きながら学ぶか、退職して専念するかで最適な講座は変わります。
まずはCPA会計学院とクレアールの資料を取り寄せ、講義時間・受講期限・サポート体制を比較してください。
退職専念は有力。ただしリスクも大きい
退職して受験へ専念するのは有力な選択肢です。
ただし、不合格時の職歴・収入リスクは想像以上に大きいと考えてください。


どうしても会計士になりたいなら退職もありです。
ただし、勢いだけで辞めるのは本当に危険です
公認会計士試験は、少し勉強して運良く受かる試験ではありません。
特に退職する場合は、勢いだけで決めないでください。
準備①:1週間の勉強可能時間を計算
「頑張れば時間を作れる」ではなく、カレンダーへ実際に入れてください。
- 平日の起床前・退社後に何時間取れるか
- 土日のどちらをフルで使えるか
- 繁忙期でも維持できるか
- 家事・育児を誰と分担するか
これで必要量に届かないなら、異動・残業の少ない会社への転職・退職専念を含めて考えます。
準備②:退職前に生活防衛資金を確保
受講料だけでなく、受験期間中の家賃・生活費・社会保険料・税金まで計算してください。
「1年で受かる予定」だけで資金計画を作ると危険です。
試験が長期化した場合や、不合格後に再就職するまでの期間も含めて余裕を持たせましょう。
準備③:撤退期限と再就職先を決める
退職前に、
- 何年まで挑戦するか
- 何回の短答式・論文式まで受けるか
- 貯金がいくらになったら撤退するか
- 撤退後にどの業界・職種へ戻るか
を決めてください。
撤退条件を決めるのは弱気ではなく、30代のキャリアを守るためのリスク管理です。
準備④:家族と受験計画を共有
配偶者や子どもがいる場合、受験は本人だけの問題ではありません。
- 家事・育児の分担をどう変えるか
- 休日をどこまで勉強へ使うか
- 退職した場合の生活費をどうするか
- 受験を続ける期限をいつにするか
を家族と具体的に共有してください。
「受かるまで応援してほしい」だけでは、負担の大きさが伝わりません。
準備⑤:まず簿記で適性を確認
いきなり会社を辞める必要はありません。
まず簿記3級〜2級を学び、会計の勉強を毎日続けられるか試してください。
簿記が面白く、もっと深く学びたいと思えるなら、公認会計士との相性は良いでしょう。
逆に簿記の段階で全く続かないなら、退職という大きな決断は一度止めるべきです。
合わせて読みたい
>>公認会計士を目指す前にやるべき5つの準備
公認会計士を目指すなら今すぐやるべき2つのこと
30代から本気で目指すなら、会社を辞める前に試験の全体像と必要な学習量を把握してください。

ここまで読んで「それでも挑戦したい」と思った人は、まず以下の2つを無料でやってください。
どちらも予備校を即決するためではなく、30代のキャリアを賭ける前に判断材料を集めるためです。
① クレアールで『公認会計士試験 非常識合格法』をもらう
クレアールへ資料請求すると、『公認会計士試験 非常識合格法』が無料でもらえます。
これを読んでほしい理由は、クレアールを選ぶべきだからではありません。
試験範囲の広さと、合格に必要な勉強戦略を先に理解できるからです。

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② CPA会計学院で業界標準の学習量を確認する
CPA会計学院への資料請求もあわせてやっておいてください。
CPA会計学院は公認会計士受験で大きな存在感を持つ予備校です。
受講するかどうかに関係なく、講座のカリキュラムを見ると合格までに必要な学習量の基準が分かります。

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まとめ:30代でも勉強時間があれば合格できる
30代から公認会計士を目指すのは遅くありません。合否を分ける最大の要因は、年齢ではなく勉強時間です。

本記事のポイントをまとめます。
- 令和7年試験では30代の合格者が157人いる
- 30代前半〜35歳で、社会人を経て合格した人は実際にいる
- 異業種でも社会人経験は監査法人の採用で強みになる
- 働きながら受かるには、平日夜と土日の大半を勉強へ使う覚悟が必要
- 退職専念は有力だが、不合格時の職歴・収入リスクがある
- 退職前に生活資金、期限、撤退条件を決める
公認会計士試験は、30代では理解できない試験ではありません。
量が多いため、必要な勉強時間を積めなかった人が落ちる試験です。
本気で目指すなら、まず今の生活で週何時間を確保できるか計算してください。
そのうえで、働きながら進めるか、退職して専念するかを決めましょう。
よくある質問(FAQ)
最後に、30代から公認会計士を目指す人によくある疑問へ回答します。

35歳から公認会計士を目指すのは遅い?
遅すぎるとはいえません。令和7年試験では35歳以上40歳未満の合格者が38人いました。ただし、合格後の希望勤務地・年収・就職先まで考えてから始めてください。
30代未経験でもBig4へ就職できる?
可能性はありますが、採用状況や本人の職歴・人柄によって変わります。異業種でも社会人経験は強みになるため、前職で得たスキルを具体的に説明しましょう。
働きながら何年で合格できる?
必要期間は確保できる勉強時間によって大きく変わります。平日夜と土日をほぼ全て使える環境でも簡単ではありません。年数だけでなく、週単位の勉強時間で計画してください。
会社を辞めて勉強へ専念すべき?
強い意思、十分な生活資金、家族の理解、撤退条件が揃っている場合は選択肢になります。合格できなかった場合、受験期間が職歴として評価されにくいリスクは理解しておきましょう。
子育てしながらでも合格できる?
不可能ではありませんが、家族の協力なしではかなり厳しいです。家事・育児の分担、預かりサービス、勉強場所、毎週の学習時間を受験開始前に具体化してください。
何年で公認会計士受験を諦めるべき?
一律の正解はありません。ただし退職する場合は、挑戦年数、受験回数、貯金残高の下限を開始前に決めてください。成績推移も見ながら、期限ごとに継続を判断しましょう。
YouTubeでも解説しています
30代から公認会計士を目指す現実について、YouTubeでも解説します。
働きながらの難しさ、退職専念のリスク、合格後の就職事情を音声で確認したい人は、動画版も参考にしてください。

動画は公開後、この欄へ追加します。