
公認会計士試験って、結局いくらかかるの?
高い予備校代を払って、本当に元を取れる?
こんな疑問を解消します。
結論、公認会計士は合格できればコスパの高い資格です。
ただし、「予備校代が80万円だから、80万円で公認会計士になれる」と考えるのは危険です。
受験が長期化すれば、経験者向けコースの再受講費がかかります。
会社を辞めて専念するなら、生活費に加えて働いていれば受け取れたはずの給与も失います。
私自身、約3年間の受験生活で、初学者向けコース1回と経験者向けコース2回を受講しました。
記憶ベースですが、予備校へ支払った金額だけで合計約150万円です。
そこで本記事では、
- 公認会計士試験にかかる5つの費用
- 大学生・在職社会人・退職専念の総額比較
- 合格後に費用を回収するまでの年数
- 不合格だった場合に残るもの
- 費用を抑えながら合格可能性を落とさない方法
を紹介します。
本記事を読めば、目の前の受講料ではなく、合格までに必要な総額と回収可能性で受験を判断できます。
公認会計士を目指すか、予備校へ申し込むか、会社を辞めるか迷っている人は必見の内容です。
筆者は複数の大手予備校を受講した経験のある現役の公認会計士です。約3年間の受験生活と監査トレーニー経験をもとに執筆しています。
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結論:公認会計士はコスパが高い
公認会計士は、合格できれば費用を回収しやすい資格です。

現在、大手予備校の初学者向けコースは、おおむね80万円前後です。
決して安い金額ではありません。
私が監査法人で見てきた範囲では、入所初年度の年収は残業代によって差がありますが、おおむね450万〜650万円から始まります。
その後は年50万円程度ずつ上がり、マネージャーへ昇格する頃には年収1,000万円前後へ届くケースがあります。
この収入だけを見ると、80万〜150万円の予備校代は十分に回収できそうに見えます。
ただし、ここで絶対に間違えてはいけません。
「公認会計士になった後の年収」全額を、受験費用の回収額としてはいけないからです。
公認会計士を目指さなくても、別の会社で給与を得ていたはずです。
本当の回収額は、資格取得前後の年収差で考える必要があります。

予備校代だけなら回収は早いです。
退職による逸失給与まで含めると、話は大きく変わります
公認会計士試験にかかる5つの費用
公認会計士試験の費用は、予備校代・再受講費・受験手数料・生活費・失う給与の5つです。

費用①:予備校の受講料
最初に必要になる最大の現金支出は、初学者向けコースの受講料です。
| 予備校・コース例 | 2026年8月時点の公式価格 |
|---|---|
| CPA会計学院 2年速習コース | 通信・通学82万円、併用87万円 |
| TAC 2年S本科生 | キャンペーン価格78万円、通常79万円 |
| 資格の大原 2年初学者合格コース | 78万円〜+入学金6,000円 |
上の金額には、通常の講義、テキスト、問題集、答練、模試などが含まれています。
そのため、教材・答練を予備校代とは別に二重計上する必要はありません。
コース、受講形態、申込時期、割引によって金額は変わります。申込前には必ず各校の公式資料で最新価格と含まれるサービスを確認してください。
料金の確認先:CPA会計学院「コース・料金」、TAC「2年S本科生」、資格の大原「2年初学者合格コース」
費用②:再受講・延長費用
初回コースの期限内に合格できなければ、経験者向けコースや上級コースの費用が追加で発生します。
私が受験していた当時の記憶では、初学者向けが約70万円、経験者向けが約40万円でした。
私は経験者向けコースを2回受けたため、予備校代だけで約70万円+40万円×2回=約150万円を支払っています。
現在も、たとえばTACの受験経験者向け上級ストレート本科生は通常価格で40万円台です。
1年長期化すれば、受講料だけで数十万円が追加される可能性があります。
費用③:本試験の受験手数料
公認会計士・監査審査会の令和8年受験案内では、受験手数料は1回19,500円です。
受験回数が増えれば、その都度支払いが必要です。
ただし、予備校代や生活費と比べれば、全体に占める割合は小さいです。
費用④:無収入期間の生活費
受験へ専念する場合、家賃、食費、水道光熱費、通信費、国民年金、健康保険などを払いながら勉強を続けます。
月15万円で生活しても、2年間なら360万円です。
実家暮らしなら本人の現金支出は下がりますが、家族が負担している食費や住居費までゼロになるわけではありません。
私も受験専念中は実家で生活していました。
仕事をせず、親の援助を受けながら勉強する受験生は珍しくありません。
費用⑤:退職などで失う給与
社会人にとって最大の費用は、予備校代ではなく仕事を辞めなければ受け取れた給与です。
年収450万円の人が2年間退職すれば、単純計算で900万円の給与を失います。
予備校代80万円より、こちらの方が圧倒的に大きいです。
なお、生活費と逸失給与は目的が違います。
生活費は「受験を続けるために用意すべき現金」、逸失給与は「受験しなければ得られたはずの経済的利益」です。総額を考えるときは分けてください。
受験スタイル別の本当の総額
総負担は、大学生・在職社会人・退職専念のどれを選ぶかで数百万円単位で変わります。

次の表は、違いを理解するための単純なモデルです。
実際の金額は受験期間、生活環境、現在の年収によって変わります。
| 受験スタイル | 主な現金支出 | 機会費用 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 大学生・実家暮らし | 予備校代+受験手数料 | 大学生活、就活、アルバイト時間 | 親の負担も含めて考える |
| 働きながら受験 | 予備校代+受験手数料 | 勉強期間の長期化 | 給与と職歴を維持できる |
| 退職して専念 | 予備校代+生活費+受験手数料 | 失う給与と職歴 | 短期合格しないと負担が急増 |
ケース①:大学生・実家暮らし
大学生が実家で生活し、初回コースの期限内に合格するなら、本人から見える現金支出は100万円以内に収まる可能性があります。
ただし、親が予備校代や生活費を負担しているなら、それも家計全体では費用です。
また、サークル、留学、インターン、通常の就活へ使えた時間も失います。
ケース②:働きながら受験
仕事を続ければ、給与と職歴を維持できます。金銭面では最も安全です。
一方、公認会計士試験は範囲がめちゃくちゃ広いため、仕事との両立は簡単ではありません。
勉強期間が1年延びて経験者向けコースを追加すれば、結果的に総額が増えます。
合わせて読みたい
>>30代から公認会計士を目指す現実と退職リスク
ケース③:退職して受験専念
年収450万円の社会人が退職し、2年間、月15万円で生活するケースを考えます。
- 初学者向け予備校代:80万円
- 受験手数料など:数万円
- 生活費:15万円×24カ月=360万円
- 失う給与:450万円×2年=900万円
受験期間中に必要な現金は約440万円。
失う給与まで含めた経済的負担は、単純計算で1,300万円を超えます。
これは「退職してはいけない」という意味ではありません。
退職すると、予備校代とは比較にならない投資になることを理解してから決めるべきです。
費用は合格後何年で回収できる?
回収年数は、総費用÷資格取得によって増えた年間手取りで考えます。

たとえば、公認会計士を目指さなかった場合の年収が400万円、合格後の年収が550万円なら、額面の年収差は150万円です。
| 総費用 | 年間の年収差 | 単純回収年数 |
|---|---|---|
| 100万円 | 100万円 | 約1年 |
| 150万円 | 150万円 | 約1年 |
| 500万円 | 150万円 | 約3.3年 |
| 1,000万円 | 150万円 | 約6.7年 |
実際には税金・社会保険料があるため、手取りベースの回収期間はこれより長くなります。
反対に、昇進や転職で年収差が広がれば、回収は早くなります。
なお、ここでいう回収年数は、投資判断のための単純な試算です。
公認会計士になれば必ず年収が上がるという保証ではありません。勤務地、監査法人の規模、残業時間、昇進速度、転職先によって年収は変わります。
また、資格を取らなかった場合の年収も一定ではありません。通常就職した会社で昇進していた可能性もあります。
だからこそ、比較対象を「無収入」とせず、公認会計士を目指さなかった自分の現実的なキャリアに置くことが大切です。
私の場合、受験前に会社を辞めたわけではないため、退職による逸失給与はありませんでした。
予備校代は約150万円かかりましたが、短答式試験合格後は監査トレーニーとして働き、最後の1年は収入を得ながら論文式試験を目指しています。
このように、短答式試験合格後に監査トレーニーとして働ける場合は、受験を継続しながら現金負担を抑えられます。
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>>監査法人の給与と公認会計士の生活水準
不合格なら費用と時間は無駄になる?
最終合格できなくても、学習成果を形にしてキャリアへつなげれば全てがゼロにはなりません。

ただし、「勉強した経験そのもの」が自動的に高く評価されるわけではありません。
- 短答式試験に合格する
- 日商簿記1級などを取得する
- 経理・財務・金融・コンサルへ知識をつなげる
- 面接で挑戦理由と撤退判断を説明できるようにする
こうして客観的な成果を残せれば、公認会計士試験で学んだ会計、監査、企業法、租税法の知識は別のキャリアでも使えます。

親に援助してもらったり、ローンを使ったりするなら、
特別に厳しい条件を決めるべき?

援助やローンだけを理由に、特別扱いする必要はありません。
必要なのは、全員共通の撤退条件です
私自身も親から援助を受けました。若い受験生にとっては、大学受験の延長に近い面があります。
自分だけのお金で予備校代も生活費も全て払う人の方が少数派です。
決めるべきなのは、十分な勉強時間を確保し、正しいカリキュラムで真剣に取り組んでも結果が出なければ撤退するという条件です。
安く済ませて合格率を下げない方法
費用を抑えるなら、予備校の質ではなく、長期化と生活コストを削ってください。

予備校代を節約するために、独学や極端に安い講座を選ぶ考えは絶対にお勧めできません。
公認会計士試験は出題範囲がとてつもなく広く、独学には全く向きません。
大手予備校のテキストは、膨大な範囲から合格に必要な部分を極限まで絞り込んでいます。
大手予備校の80万円を、スタディングの約10万円に削れば、受講料だけは約70万円安くなります。
ただ、その結果、受験期間が1年延びれば、再受講費に加えて生活費と逸失給与が1年分増えます。
70万円の差額だけを見て、受験期間を1年延ばす方がはるかに高くつく可能性があります。
- 実績のある大手予備校から選ぶ
- 申込前に複数校のカリキュラムと受講期限を比較する
- 奨学生制度、大学生協、再受講割引を確認する
- 実家暮らしや固定費削減で生活費を抑える
- 仕事を辞める前に、働きながら確保できる勉強時間を試す
合わせて読みたい
>>公認会計士試験の独学が難しい理由
合わせて読みたい
>>安さだけでスタディングを選ぶのが危険な理由
コスパが良い人・悪い人
公認会計士のコスパは、お金より合格可能性と失うキャリアで決まります。

| コスパが良くなりやすい人 | コスパが悪くなりやすい人 |
|---|---|
| 大学生など若いうちに始める | 高年収の仕事を辞めて長期専念する |
| 実家や家族の支援を受けられる | 生活費を全て借入で賄う |
| 必要な勉強時間を確保できる | 毎週の勉強時間が安定しない |
| 大手予備校のカリキュラムをやり切る | 安さだけで講座を選ぶ |
| 撤退条件を事前に決める | 結果が出なくても惰性で続ける |
特に大学生は、失う給与がまだありません。親の援助を受けて実家で勉強できるなら、金銭面の投資効率は高くなります。
一方、すでに年収が高い社会人ほど、退職による機会費用が大きくなります。
「会計士になれば年収が上がる」だけでなく、今の年収と合格後の年収の差を計算してください。
ただし、コスパだけで人生を決める必要もありません。
監査、会計、ファイナンスの専門家として働きたいという意思があるなら、短期の回収年数だけでは測れない価値があります。
公認会計士を目指す前に無料でやるべき2つのこと
ここで2つの資料請求を案内する目的は、CPA会計学院とクレアールを比較することではありません。
公認会計士試験の本質を知り、実際に簿記3級の勉強を始めるためです。

予備校へ申し込むかどうかを決める前に、まず以下の2つを無料でやってください。
費用をかける前に、試験への理解と最初の勉強を同時に進められます。
行動①:クレアールで『公認会計士試験 非常識合格法』をもらう
クレアールへ資料請求すると、『公認会計士試験 非常識合格法』を無料でもらえます。
これを読んでほしい理由は、クレアールを選ぶためではありません。
この本を読むと、公認会計士試験の本質と勉強戦略を理解できるからです。
資料請求フォームでは、請求内容にある「公認会計士試験非常識合格法書籍」へ必ずチェックを入れてください。

行動②:CPA会計学院で簿記3級の勉強を始める
CPA会計学院へ資料請求すると、簿記3級相当のテキストを無料でもらえます。
まずこのテキストで簿記3級の勉強を始め、会計の勉強を続けられそうか確かめてください。
CPA会計学院は、令和7年試験の合格者1,636人のうち1,092人をCPA本科コース受講生が占めたと公表しています。
ただし、ここで資料請求を勧める主目的は予備校選びではなく、無料で簿記3級の勉強を始めることです。

まとめ:総額と回収可能性で考える
公認会計士試験は、予備校代ではなく、合格までの総額と回収可能性で判断してください。

初学者向けコースだけなら、大手予備校は80万円前後です。
しかし、長期化すれば再受講費が増え、退職専念なら生活費と失う給与が一気に膨らみます。
- 通常の教材・答練は予備校受講料に含めて考える
- 不合格や長期化による再受講費を見込む
- 退職するなら生活費と逸失給与を分けて計算する
- 回収年数は合格後の年収全額ではなく、資格取得前後の年収差で考える
- 安さだけで独学や極端に安い講座を選ばない
私自身、予備校代だけで約150万円を使いました。
それでも、合格後のキャリアを考えれば、必要な投資だったと思っています。
逆に、80万円の初期投資を用意できず、独学や極端に安い講座で何とかしようとするなら、私は受験をおすすめしません。
削るべきなのは合格に必要な教育ではなく、受験の長期化と生活コストです。
合わせて読みたい
>>公認会計士の予備校を費用・合格実績で比較
よくある質問(FAQ)
公認会計士試験の費用とコスパについて、よくある疑問へ回答します。

Q. 公認会計士試験は総額いくらかかりますか?
初回コースの期限内に合格し、生活環境を変えないなら、予備校代と受験手数料を中心に100万円前後が一つの目安です。ただし、再受講、受験専念中の生活費、退職による逸失給与まで含めると、数百万円から1,000万円を超える場合があります。
Q. 教材費や答練代は別に必要ですか?
大手予備校の本科コースでは、通常の教材、問題集、答練、模試は受講料に含まれています。オプション講座や契約期間終了後の再受講は別料金になる可能性があるため、申込前に含まれる範囲を確認してください。
Q. 公認会計士試験は独学なら安く済みますか?
受講料だけは安くなりますが、おすすめしません。試験範囲が非常に広く、必要な論点を自分で絞るのが難しいためです。勉強期間が延びれば、時間と生活費を含む総コストはむしろ高くなる可能性があります。
Q. 親の援助やローンを使っても大丈夫ですか?
援助やローンを使う受験生は珍しくありません。私自身も親の援助を受けました。援助やローンだけを理由に特別な条件を設ける必要はありませんが、必要な勉強時間を確保しても結果が出ない場合の撤退条件は決めてください。
Q. 予備校代は合格後何年で元を取れますか?
予備校代だけなら、資格取得前後の年収差によっては1〜数年で回収できる可能性があります。一方、退職による逸失給与まで含めると5〜10年以上かかるケースもあります。合格後の年収全額ではなく、資格を取らなかった場合との年収差で計算してください。
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