公認会計士簿記1級

公認会計士になるのに簿記は必要?簿記1級との違いを現役会計士が解説

公認会計士
悩む人
悩む人

公認会計士になるのに簿記って必要なの?
簿記1級と何が違うか知りたい!

こんな疑問を解消します。

結論、公認会計士になるために簿記資格は不要ですが、簿記の知識は必須
また簿記1級の上位資格が公認会計士です。

医者、司法試験と並んで国家三大資格と呼ばれる公認会計士

就活を控えた大学生や転職したい社会人に人気の日商簿記

どちらも有名な会計系資格ですが、
両資格の違いや関連性については知らない人が多いです。

そこで本記事では公認会計士と簿記1級と持つ筆者が、

記事の内容
  • 公認会計士と簿記1級の違いと共通点
  • 公認会計士になるには簿記は必要か
  • 公認会計士と簿記1級はどちらがおすすめか

を紹介します。

本記事を読めば公認会計士と簿記1級の関係性をハッキリと理解できます。

2つの資格に興味のある方は必見の内容です。

記事の信頼性

本記事の筆者は現役の公認会計士です。
記事の内容は筆者本人の経験や、今まで関わってきた周りの公認会計士に取材した内容に基づいて執筆しています。

公認会計士と簿記1級の違いと共通点

公認会計士と簿記1級の違いと共通点

まずは公認会計士と簿記1級の
違いと共通点を紹介していきます。

悩む人
悩む人

共通点もあるんだ?

共通点は「会計資格」という点ですね。

会計系の資格としては主に以下のものがあり、上から順に難易度が高くなります。

公認会計士

税理士

簿記1級

簿記2級

簿記3級

公認会計士と簿記1級の違いについては

に分けてそれぞれ説明します。

違い①:就職先(できる仕事)

就職先(できる仕事)

公認会計士と簿記1級は就職先、
つまり取得した後にできる仕事の内容が違います。

簿記1級は一般企業の経理財務のプロ

簿記1級取得者の主な就職先は一般企業の

  • 経理部
  • 財務部

といったお金を扱う部署で会社内の会計のプロとして働くことになります。

悩む人
悩む人

具体的にどんなことをするの?

経理部として

  • 会社の入出金の処理
  • 請求書の処理
  • 従業員の給与計算
  • 財務書類の作成

といったお金の管理系の仕事や、
財務部として

  • 資金調達
  • 財務分析や財務戦略の立案

といった将来のお金を考える仕事をすることになります。

筆者
筆者

会社のお金に関するプロですね

公認会計士は監査法人で上場企業の監査

簿記1級の取得者が一般企業に就職するのに対し、
公認会計士は監査法人という特殊な会社に就職するのが一般的です。

悩む人
悩む人

監査法人って?

公認会計士で組織されている会社で、
上場しているような有名大手企業やメガバンクに対して

  • 財務書類の監査
  • 内部統制の監査

といった外部機関として大きな会社をチェックする仕事をします。

筆者
筆者

公認会計士は
「資本市場の番人」として
大きな会社達を監視する役割をもちます

合わせて読みたい
>>監査法人とは?年収や職場環境も教えます

簿記1級取得者は一つの会社に就職して
社内で活躍するのに対し、

公認会計士は監査法人にいながら
色々な会社をチェックする立場にあるという大きな違いがあります。

違い②:試験制度

試験制度

2つ目の違いは試験制度

公認会計士の試験制度は以下のとおり。

公認会計士
受験資格なし
受験料19,500円
試験の実施回数一次:年2回(5月頃、12月頃)
二次:年1回(8月頃)
試験時間一次:企業法、管理会計論、監査論:各60分財務会計論:120分
二次:監査論、租税法、企業法:各120分、会計学:300分、選択科目:120分
試験方法一次:マークシート
二次:記述式
合格基準一次:合計点70%以上(1科目ごとの得点が40%未満の場合は不合格)
二次:総点数の60%が基準

簿記1級の試験制度は以下のとおり。

簿記1級
受験資格なし
受験料7,850円
試験の実施回数年2回(6月、11月)
試験時間商業簿記・会計学(90分)
工業簿記・原価計算(90分)
試験方法記述式
合格基準合計点70%以上
(科目毎の得点が
40%未満の場合は不合格)

公認会計士は6科目、簿記1級は実質2科目

公認会計士は

  • 財務会計(会計学①)
  • 管理会計(会計学②)
  • 監査論
  • 企業法
  • 租税法
  • 選択科目(経営学等)

の6科目に対し、簿記1級は

  • 商業簿記
  • 会計学
  • 工業簿記
  • 原価計算

の4科目とされていますが、
簿記1級の商業簿記と会計学は公認会計士の財務会計、
簿記1級の工業簿記と原価計算は公認会計士の管理会計に相当する科目なので、

  • 公認会計士→6科目
  • 簿記1級→実質2科目

という感じです。

筆者
筆者

簿記1級は公認会計士の3分の1程度ですね

また、簿記1級は「会計」という学問に特化した内容ですが、公認会計士は

  • 会社関連の法律
  • 税務

といったお金に限らず会社経営に関する幅広い知識が求められるという点も大きな違いです。

公認会計士は2次試験方式

公認会計士は

  • 1次試験:短答式試験(マークシート方式)
  • 2次試験:論文式試験(記述方式)

の2次試験方式なのに対し、
簿記1級は1次試験方式なので、
公認会計士試験の方が狭き門となっています。

違い③:勉強時間

勉強時間

一般的に目安とされている勉強時間は以下のとおりで、およそ3倍程度の差があります。

  • 公認会計士:約3,500時間
  • 簿記1級:約1,000時間
悩む人
悩む人

何でこんなに差があるの?

単純に難易度の違いですね。

上で紹介しましたが、
簿記1級は実質2科目なのに対し公認会計士は6科目もあるので、
この科目数の差だけ難易度が上がります。

筆者
筆者

2科目だけ勉強するのと
6科目も勉強するのは
かなり違いますからね

公認会計士になるのに簿記は必要か

公認会計士になるのに簿記は必要か
悩む人
悩む人

公認会計士になるのに簿記は必要なの?

結論、必要ありません

公認会計士試験の受験資格には

簿記1級をもっていないと受験できない

といった規定や、

簿記1級をもっていると
受験資格の一部が免除になる

といった規定はないので、
公認会計士になる上で簿記1級は必須ではありません

筆者
筆者

公認会計士は受験資格がないので、
誰でも受験可能です!

しかし、簿記の「資格」は不要ですが
簿記の「知識」は合格する上で必要になるので、
簿記1級レベルの勉強はどうせすることになります。

筆者
筆者

簿記の知識なしでは
公認会計士は絶対合格できません

公認会計士を目指す人が
簿記を取得することにはメリットデメリットがあるので、それぞれ紹介していきます。

公認会計士志望者が簿記を取得するメリット

公認会計士志望者が簿記を取得するメリット

公認会計士が簿記を取得するメリットは以下の3つ。

それぞれ簡単に説明します。

公認会計士試験はトータル3,500時間もの勉強時間が必要になる長い旅路です。

メリット①:着実に資格を取って自信になる

受験生になると10時間くらいの勉強を毎日ひらすら続けていくことになりますが、

受験生
受験生

本当に合格できるかな…
こんなに毎日頑張ってるけど
意味あるのかな…

と不安になることがあります。

筆者
筆者

私も何回も何回もありました

そんな時、簿記3級、2級、1級を勉強が進む過程で取得していけば、

受験生
受験生

着実に前に進んでいるんだ!!

という自信になり、精神的な支えとすることができるんです。

筆者
筆者

やれば分かりますが、
こういった支えがあるとないでは
本当にメンタルの状態に差が出るんですよ

メリット②:勉強の努力が資格という形になる

公認会計士の受験を進めていく上で
簿記3級、2級、1級と取得していくことで
精神的な安定を得られるのはもちろん、

「資格」というハッキリとした形で
努力の結果を残すことには大きな意義があります。

悩む人
悩む人

どうして?

公認会計士は簡単な資格ではないので
途中で諦めてしまう人もしばしばいます。

筆者
筆者

私も周りにもたくさんいました

途中でやめてしまうと何も残らないですが、
公認会計士の受験の間にもし簿記1級とっていれば、それを使って就職することもできます。

実際に私の周りで公認会計士になることを諦めた仲間たちも、みんな簿記1級までは取得していたので、

  • 上場企業の経理財務
  • 大手銀行
  • コンサルティングファーム

といった、いわゆる優良企業への就職を決めることができていました。

筆者
筆者

資格があれば、
努力は無駄にならないですからね

なので精神面はもちろん、
実質的な就職の面からも簿記資格を取るのはメリットがあります。

メリット③:短期的なゴールができ勉強が捗る

公認会計士という最終的なゴールの他に、
簿記という短期的なゴールを設定することで
モチベーションを維持することができるのもメリットです。

公認会計士になるには最低でも3,500時間!

といわれても道のりが長すぎて心が折れますが、

簿記3級取るために100時間勉強!

となればヤル気も出ますよね。

しかも簿記3級の勉強は公認会計士受験に
全く無駄にならないので、
簿記3級を取得することは公認会計士に近づいているということです。

目先に短期的なゴールを設定し、
長期的なゴールへのモチベーションを維持するのも難関資格突破の重大な要素ということです。

筆者
筆者

鉄板な勉強法です

公認会計志望者が簿記を取得するデメリット

公認会計志望者が簿記を取得するデメリット

公認会計士志望者が簿記を取得するのは
基本的にはメリットが大きいですが
デメリットもあって、無駄な範囲の勉強をしてしまうということです。

悩む人
悩む人

どういうこと?

確かに簿記と公認会計士の試験範囲はかなり被っていて、

  • 3級
  • 2級

は取得することは全く無駄にならないですし、
むしろ最初から公認会計士を目指すのはリスクなので3級2級の取得から目指す方がおすすめです。

筆者
筆者

私を含めほとんどの公認会計士が
3級から勉強を始めます

ただ簿記1級ともなると話は別で、
簿記1級ではよく出るけど公認会計士試験にはあまり出ない論点というものが結構あります。

筆者
筆者

作成元が違うので、
それぞれの色があるんですよね

なので簿記1級で頻出の論点に
たくさん時間を使ったけど、
そこは公認会計士試験にはあまり役立たない…みたいなことがありえるんです。

そのため、とりあえず簿記2級までとってみて、
本気で公認会計士を目指すなら1級を飛ばすというのも全然アリな選択肢です。

筆者
筆者

実際、3級2級は持ってるけど
1級は持っていない公認会計士は
多いですよ

公認会計士と簿記1級どちらがおすすめか

公認会計士と簿記1級どちらがおすすめか
悩む人
悩む人

公認会計士と簿記1級ってどっちがおすすめ?

結論、何がしたいかによります

単純に就職先に困らず、
年収が高いのは公認会計士ですが、

悩む人
悩む人

監査とか全然興味ない

といった人が公認会計士資格を取っても楽しいかといわれると微妙です。

私は公認会計士の仕事に
興味があったので取得しましたが、
会社の経理財務に行きたいだけなら簿記1級を取るので十分でしょう。

筆者
筆者

どっちの資格がおすすめかは、
人それぞれということです

公認会計士としてできる仕事は幅広いので、
どんなことができるのか興味のある方はこちらの記事もどうぞ。
合わせて読みたい
>>公認会計士の就職先を年収や忙しさでランク付け

まずは簿記3級を目指そう

まずは簿記3級を目指そう

公認会計士や簿記1級に興味のある方は、
まずは簿記3級の勉強から始めましょう。

どちらの資格も簿記3級の内容が基礎となるので
勉強時間も無駄にならないですし、
短期的で達成しやすい目標から始めるのがおすすめです。

筆者
筆者

最初から公認会計士や簿記1級は
ハードルが高すぎますからね

簿記3級はほとんどの人が
独学で合格する資格なので、
何か特別な事情がなければ独学で問題ないです。

簿記3級の独学を始める前にすべき準備は
こちらの記事で紹介しているのでぜひ見てみてください。

合わせて読みたい
>>簿記3級の独学を始める前にすべき3つの準備【コレだけでOK】

公認会計士に簿記資格は不要!だけど簿記知識は必須です

まとめ

公認会計士は簿記の資格は不要ですが、
簿記の知識は必要です。

公認会計士も簿記1級も長い道のりですが、
3級2級と着実に進めばいつの間にか到着できるものです。

筆者
筆者

みんなそうやって取得します

興味のある方は、まずは簿記3級の取得を目指して頑張りましょう!

それでは。

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