監査法人働き方改革の状況ってどんな感じなの?
こんな悩みを解消します。
公認会計士試験の受かった人のほとんどが最初に就職する監査法人。
一般的な株式会社ではない特殊な法人ですが、
「働き方改革」がどれくらい進んでいるか気になりますよね。
そこで本記事では実際にBig4大手監査法人に勤務する公認会計士の筆者が
- 働き方改革って?
- 働き方改革の9つの指標
- 実際に監査法人はどの程度働き方改革が進んでいるのか
を紹介します。
この記事を読めば今の監査法人がどれだけ働き方改革が進んでいるのかを知ることができます。
公認会計士に興味がある方や、
公認会計士を目指して勉強している受験生の方は必見の内容です。
そもそも監査法人って何?
という方はこちらの記事をどうぞ。
合わせて読みたい
>>監査法人ってどうなの?年収や職場環境
▼動画で見たい方はこちら▼
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働き方改革って?
「働き方改革」ってよく聞くけどどんなんだっけ?
厚生労働省のHPによれば、働き方改革の目指すものは
我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。
厚生労働省HPより抜粋
こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。
「働き方改革」は、この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。
とされています。
だらだら長くてよくわかんないですねw
まぁ簡単にいえば、
ライフスタイルが変化し、働き手も減る中で、職場環境を更生し生産性を高めつつ
自分らしく働けるようにしよう!
て感じですね。
確かにひと昔前は働き手もたくさんいたし、
お母さんは家を守ってお父さんは働いて、
IT化も進んでないからみんなで鬼作業…
って感じでしたが、そんなの古いですよね。
そんなこといつまでもしてたら国際社会の中で取り残されちゃうしみんなの幸福度も下がる一方なので、国をあげて改革しよう!
てことで政府がメスをいれたわけです。
働き方改革の9つの指標
2017年3月に内閣官房に設置された働き方改革推進会議によって発表された働き方改革実行計画というのが政府が出した指針で、
働き方改革を進める上で検討すべき以下の9つの項目が挙げられています。
これをどれくらい達成できているかで働き方改革が進んでいるか分かるってことだね
そういうことです。
次項から、監査法人の働き方改革がどれくらい進んでいるのかそれぞれの検討項目から照らしていきます。
働き方改革①:非正規雇用の処遇改善
監査法人の非正規雇用の処遇改善ですが、
これについては圧倒的に働き方改革が進んでいます。
圧倒的に!?
はい、なぜなら、
監査法人は正規社員よりも非正規社員の方が稼げるから。笑
監査法人によって時給が変わりますが、
監査法人の非正規社員(非常勤社員)は時給6,500円くらいが相場なので、7時間働いたとして日給は5万円程度。
1ヶ月(20営業日)で100万円ほど稼げるので、普通に勤務している正規社員よりも時給が高いんです。
「非正規(派遣)だから給料が低い」というのは公認会計士の業界にはないんです
責任のある仕事や無駄な管理業務なども任せられないので、進んで非正規社員になるって人もたまにいます。
これは働き方改革というよりも業界慣行で、
正規よりも非正規の方が断然時給が高い状況は何十年もずっと続いています。
そういう意味だとかなり先進的な業界かもですね
働き方改革②:賃金引上げと労働生産性向上
賃金の引上げはどうなの?
ベア(ベースアップ)とも呼ばれる賃金引上げですが、監査法人でベアの話はあまり聞いたことないです。
そもそもベアは労働組合が先導していくイメージがあるんですが、監査法人には労働組合あるのかな…笑
職位職階が上がる都度基本給は上がるので、
特に若手の内は毎年給料が上がりますが、
ベース自体の変更は景気に左右されます。
私が入社してから
一度ベースアップしましたが、
昔のベースに比べると
かなりダウンしたようですし、
好景気ならアップし、不景気ならダウンするて感じですね。
ベースダウンしてストライキ…みたいにはならないんだ?
ならないですね。
大した福利厚生もないし、
終身雇用って感じでもないので、
給料に不満あるなら辞めますって感じで、
ベースとかあんまり気にしてないですね。
なんかそう思うとドライな会社ですね…笑
職位職階さえ上がれば基本給は毎年上がっていくので、
ベアがないから給料変わらない…
働き方改革③:長時間労働の是正
長時間労働の是正ですが、
完璧に行き届いてはいないですがひと昔前に比べるとかなりマシになりました。
私がまだ新人だった頃は
残業時間をいくらつけてもOKだったので、
1ヶ月に2か月分労働したこともありました。
いわゆる「過労死ライン」は
余裕で超えてましたし、
繁忙期はそんな人だらけでした
今はかなり労働時間については是正され、
特にBig4の大手監査法人は労基の目も厳しいのでかなり是正されました。
ただ一方で
残業時間つけられなくなってサービス残業増えた…
という人が一部まだ残ってしまっているのも事実。
ですが、本当に昔に比べると長時間労働は減っていて、働き方改革にまじめに取り組んでいるというのが実状です。
働き方改革④:柔軟な働き方がしやすい環境整備
柔軟な働き方はコロナによって一気に促進され、具体的には監査法人のリモートワーク率はとんでもなく上がりました。
そうなんだ!
勤務時間については元々かなり緩かったんですが働く場所の改革も起きましたね。
ノートパソコンでの作業がほとんどなので
元々リモートワークできる仕事も多く、
出勤する必要なくない…?
と、なんとなくみんなが思っている時にコロナが追い風を吹かせました。
もちろん担当するクライアント事情などもあるので全員が完全リモートに移行できるわけではないんですが、仮にコロナが収束したとしても一定割合のリモートワーク導入が継続されるといわれています。
「地方の実家に帰って仕事」なんていう人もちょくちょくいたりして、オフィスやクライアント先に集まってみんなで遅くまで仕事という状況は完全に消えました。
働き方改革⑤:病気の治療、子育て・介護等と仕事の両立、障害者就労の推進
病気の治療に関しては
あまり聞いたことないですが、
子育てや介護等との両立についてはある程度柔軟に対応できるような状況になっています。
- 時短
- 残業なし
といった契約にして子育てや介護に時間を充てることもOKですし、
「〇時~〇時まで働いてください」
という会社ではないので、
子供を寝かしつけた後に夜仕事をするといった方もたくさんいますね。
子育てしながら働いてる人は多いのでモデルケースはたくさんいますね
障害を持った方も普通に勤務されているので、その辺りもしっかり改革を進めているように感じます。
働き方改革⑥:外国人材の受入れ
外国人材の受入れに関しても
監査法人はかなり進んでいる方です。
公認会計士資格は色んな国に存在しますし、
IFRS(国際会計基準)といったグローバルで通用する会計基準も存在するので外国人の方であってもスキルセットがしっかりあれば問題なく働くことができます。
Big4の監査法人はどこもグローバルファームと提携しているので人材の往来も普通にありますし、自分のチームに外国人のメンバーがいるという状況は割と普通。
クライアントが外資系企業
だったりすることもあるので、
会計士側も強制的に
グローバル化しているって感じです
働き方改革⑦:女性・若者が活躍しやすい環境整備
この項目についても確実に働き方改革が進んでいます。
まず若者の活躍ですが、
これはもともと環境整備はバッチリ整っていました。
むしろ監査法人はどこもかなり若い組織で、
大学生でも非常勤で働くことができるので、
おじさん達がのさばって若い芽が摘まれる…
みたいな職場ではないです。
そしてそれより注目すべきは女性の活躍で、
直近の2020年度の公認会計士試験の女性合格者は過去最高の24.6%にも達し、
これまで男ばかりだった公認会計士の職場に女性の風が吹きまくっているのは間違いないです。
監査法人はどこもむさ苦しかったですがやっと是正されますね…
現在既に監査法人で働いている女性たちが
不当な評価を受けている印象はなく、
プロフェッショナルファームらしい正当な評価をされているという印象があります。
働き方改革⑧:雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の充実
長くてよく分からない項目ですが、
- 定年後の再就職
- 学生社会人
- 学生への補助
などについての指標のようです。
若者のところでも紹介したように
監査法人では大学生であったとしても
公認会計士試験合格者なら積極的に非常勤採用を行っています。
が、定年後の再就職はないですね。
監査法人はかなり若い職場なので、
定年後の人を採用するような雰囲気は一切ないです。
ある程度の年齢で巣立っていくのが監査法人です
働き方改革⑨:高齢者の就業促進
ひとつ前の項目と若干かぶってますが、
定年後の再就職もないですし、
65歳以上の方を新規で採用というのもないですね。
監査法人の働き方改革まとめ
各項目ごとの監査法人の働き方改革の進み具合はこんな感じ。
☆が多いほど進んでいるイメージです。
こう見るとかなり良い感じに見えますね。
賃金の引き上げは
給料は上がっていくので問題ないですし、
高齢者を採用していない分
若い人はたくさんいるので労働力にも問題ないです。
昨今注目されている
自由な働き方ができるような職場ですし、
自分らしく楽しく自由に働きたい!
という人は、
公認会計士になって監査法人で働くのを検討してみても良いかも!
全然気にしてなかったですが割と良い職場なのを実感しました笑
公認会計士を目指す前にすべきこと
ここまでの内容を読んで
公認会計士に興味あるかも!
という方は、まずは
という2つのステップから始めましょう。
なんでこの2つから始めるの?
目指す前にすべきこと①:公認会計士の「試験」や「仕事」を知る
公認会計士に興味をもったら、
- 公認会計士の試験の概要
- 公認会計士ができる仕事の内容
をしっかり理解するところから始めましょう。
ここはおろそかにしちゃダメです!
なんで?
公認会計士試験は決して簡単ではないですし
公認会計士の仕事は誰にでも合うわけではないです。
試験の概要をあまり理解せずに勉強を始めて
こんな試験が難しいと
思わなかった…
とすぐに脱落してしまう人や、
仕事の内容を知らずに就職して
こんな仕事が楽しくないと
思わなかった…
とすぐに退職してしまう人は一定数います。
私は何度も見てきました
そんなことにならないために、
公認会計士の試験や仕事についての理解は
絶対にしておきましょう。
じゃあ試験や仕事について
ネットで調べれば良いのかな?
もちろんネットでも良いですが、
おすすめは「公認会計士試験非常識合格法」という超人気書籍を読むのが早くて確実です。
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公認会計士試験非常識合格法?
どんな本なの??
簡単にいうと、
さくっと読めるボリュームで
- 公認会計試験はどんな試験か
- 公認会計士はどんな仕事か
というのを説明している本です。
公認会計士に関することは何でも書かれているので、下手にネットで情報を集めるよりも
これ1冊を読む方が早く確実に公認会計士を理解できます。
事前理解にピッタリなんです!
もちろん私も読みましたし、
会計士受験生の仲間たちもみんな読んでました。
ネットで調べても出てこないような
試験勉強のテクニック等も紹介されていて
公認会計士目指そうかな
と迷っている方なら絶対に読まないと損する本です。
この本は資格の専門学校として有名な
クレアールが出版していて、
書店やネットでも購入できますが、
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合わせて読みたい
>>「公認会計士試験非常識合格法」を現役会計士がガチレビュー
目指す前にすべきこと②:簿記3級の勉強を始める
公認会計士に興味のある人は、
本で公認会計士の試験や仕事を理解しつつ、
簿記3級の勉強を始めましょう。
なんで簿記3級?
公認会計士は会計系資格のトップで、
公認会計士をゴールとするなら、
スタートとなるのは簿記3級です。
簿記は
- 公認会計士試験のメイン科目
- 公認会計士の仕事の中心
という非常に重要なもので、
簿記なしで公認会計士は語れません。
というか、もしあなたが簿記の勉強をしてみて
簿記つまらない!嫌い!
となったら公認会計士に向いていないので、
目指すのはおすすめしません…。
それくらい簿記は大事です
逆に、軽く簿記の勉強をしてみて、
簿記って面白い!
となったら公認会計士の適性アリです。
なので公認会計士としての適性をチェックする意味でも、とりあえず簿記の勉強を始めましょう。
簿記の勉強を始めるには?
テキストを買えばいいのかな?
いきなり市販テキストで勉強も良いですが、
簿記3級にもとっておきの裏技があるので紹介します!
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他にも目指す前にしておきたい準備を
こちらの記事で紹介しているのでぜひ見てみてください。
合わせて読みたい
>>公認会計士を目指す前にやるべき5つの準備【コレだけでOK】
結果:監査法人は働き方改革が進んでいる良い職場だった
伝統的な資格の公認会計士ですが、
しっかりと現代社会に合わせて働き方改革が進んでいるようで私自身安心しました。笑
これから公認会計士を目指す、
もしくは公認会計士を目指している受験生の方は、
これから進む先には良い会社が待っていると思って全力で試験に臨んでいただければと思います!
ただ、
もちろん完璧な会社なんてものはなく、
闇の部分もあったります…。
その辺り知りたい方はこちらの記事も見てみてください。
合わせて読みたい
>>監査法人の闇について現役会計士が語ります
それでは!
▼動画で見たい方はこちら▼